こんにちは。
このブログを見てくださってありがとうございます。
『遠い場所から』班の佐々木です。監督の石名からのメッセージを掲載します。
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この作品で描きたいテーマや思いついたきっかけを書いて欲しいと頼まれたのですが、それがほんの数行で言い表せるのであれば、この物語を作らなかったと思います。物語を書くことすらこれが初めてですが、そうしなければ、きっと向き合うことができなかった。
脚本を書き、班員からフィードバックを受け書き直すという過程の中で一番感じたことは、わたしたちはそれぞれ違う個人だということです。当たり前のことですが、いま、その違いがとても楽しい。
一つのセリフをとってみても、受け取り方が全く違う。ああでもない、こうでもないと言い合いぶつかり、時には全員が何も発さない沈黙が生まれますが、それすらも心地いい(でも、毎度すらすらと話せずすみません)。わたしの班は皆自身のことを多く語りませんが、物語が媒体となり、物語に対して発せられた言葉や態度は、その人が自身を文脈にしては語れない何かを内包している気がします。物語を通じて、主人公の伊織を通じて、わたしたちはお互いを知り、そして自分自身を知っていくような。うまく言葉にできないけれど。これまで経験したことのなかった距離感での人間関係がいま愛おしいです。時々「今更言わないで…」って泣きたくなるけど(実際泣きつきました)。
助監督の山下くんが撮影前に、「違和感を楽しんでいこうよ」と声を掛けてくれたことを思い出します。全員ほぼ初対面で何か一つのものを作り上げるのは難しくて、「合わないなあ」「考え方が違うなあ」と思うことは多々あるけれど、その違和感をも巻き込んで太くたくましく進んでいける点が、スタッフ・キャスト全員含め石名班の最大の強みだと思います。
全力でぶつかってきてくださる、愛の塊・山田ジャンゴさん。スタッフを母のような目で見守ってくださる早瀬マミさん。美味しいコーヒーを淹れてくれる光梨さん。その場の全員を虜にする以織さん。意外な共通点がたくさんある曽我部さん。
スーツ姿で度々登場し、キャスト全員からPと呼ばれる助監督。どこでも即座に虚無ティータイムを始めるスケジュール担当。ついに携帯灰皿を購入した監督助手。近くにいた小学生を現場から離すため、だるまさんが転んだを提案する協賛担当。「回しましたっ」のモノマネを最近よくされる撮影担当。胃腸薬を噛み砕く撮影助手。卒論を終えた直後にヘアチェンジし、晴々とした顔で現場にやってきた衣装・キャスティング担当。情報通として名を馳せつつある会計担当。シミュレーションで母親役を射止め現在も虎視眈々と狙う道具&美術担当。ハマったら最後、沼から抜け出せないムードメーカーの美術&衛生担当。まるでずっと一緒にいたかのような空気感を作り出すのが上手なスチール担当。
『遠い場所から』は、罪悪感が軸となっています。上記に挙げた魅力的な人たちと一緒に作っていく時間はとても楽しいのですが、罪悪感から派生した物語を通してしか出会えなかった仲間であり、「巻き込んでしまっていいのだろうか…」と毎晩ヒリヒリ悩み後悔します。でも、そこから前に進めるのもまた、罪悪感でしかないのです。嫌になる。
12月はあっという間に過ぎて行きました。年を越すのが怖いと思ったのは、これが初めてかもしれません。うーん、完成するのか…年越しまで後何日とカウントダウンするのが怖い!こう言ったら、映像制作実習の履修者全員が首を縦に振るのではないかなあ。
1月16日の上映会に向けて、小さなことにも粘り続ける日々です。このご時世ですが、オンラインでの上映もしていただけるとのことなので(上映会担当の方、本当にありがとう)、来場でもオンラインでもご覧いただけますと幸いです。
石名遥
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2020.12.31(木)