こんにちは!『誰かの栞』広報担当の秋山です!
今回は撮影監督の新倉拓樹さんのインタビューをお送りします。
撮影後の車内で行われた今回のインタビュー。竹内監督と助監督の中川さんが見守る中、何を語ったのでしょうか……?
それではどうぞ!
制作実習を受講した経緯
秋山(以下、秋):新倉くんは、竹内さん(監督)とかと同じ土田ゼミに所属ということで、映像制作実習を受けた理由も、(監督と同じく)そのゼミがほぼ必修だったからですか?それとも映画自体に興味があってということだったんですか?
新倉(以下、新):1年生の時に、この授業の撮影の現場に行かせてもらって。それがある意味きっかけでこの制作実習っていう授業を知り、それから去年また参加し、引き続き今年も(参加)したっていう感じで。土田研にいたからこの授業を取ったというよりかは、この授業を取るべくして取った(笑)みたいなところはあったかもしれないです。
秋:1年の頃の先輩にお誘いを受けた時の、制作実習に対する印象というか、どういう風に授業に対して思いましたか?
新:当時は僕のスケジュールの関係で、火曜日の授業自体には参加できていなくて。でも撮影の現場とか、あとは編集とか、そういう日だけは参加していました。その時には、まだ先生方とは誰ともお会いしてない状態でつくっていたので、授業はどんな感じなんだろうってすごく気になってました。現場では、映画作りってこんななんだ〜っていう印象を受けて。具体的に言うと、みんなの役割分担がしっかりしていて、こうやって現場は回っているんだ!って。僕は元々キャメラが好きで、写真は小さい頃からずっと趣味でやっていたんですけど、なんかちょっと映像も始めてみたいな、と思ってた時に、そのことを知った先輩が声を掛けてくれまして。こういう風に撮影していくんだとか、こういう風カットを割っていくんだみたいなのを間近で見て、新鮮で面白かったような記憶はうっすらとあります。
『誰かの栞』に対する思い
秋:この作品(『誰かの栞』)に対する印象というか、どんな感じのことを思っているか聞かせてもらっても良いですか?
竹内(以下、竹):聞かせてもらって良いですか?(^^)
中川(以下、中):監督の前で?(笑)
新:(笑)。脚本を見てても、ワカタケ(竹内監督)を見てても、作品が面白い方向に変わっていくな、ってずっと思ってました。毎週毎週、改稿をしていくじゃないですか。あの時は本当に大変だし、監督にとっても、参加している他の学生たちにとっても。あの期間に、一番楽しく読んでいた作品は、僕は『誰かの栞』でした。改稿されていくのを見ててわくわくするし、楽しいし。僕も時にはフィードバックというか、ここはこうなの?みたいなのを聞いたり、そんなやり取りが楽しかったし、撮りたいな!って何度も思いました。あと純粋に、改稿前の話をすると……ワカタケ多分さ、『誰かの栞』出す前に1個別の(企画)出してたじゃん。
竹:出してる!
新:でしょ?で、その後に『誰かの栞』が出てきた瞬間に「あ、僕これやりたい」って思ったんです。
秋:最初違ったんだっけ。
竹:1個目違うよ!2個目から『誰かの栞』。
新:そうそう、『誰かの栞』になった時に「あ、これだな」ってなっちゃったんだよね。
秋:それくらい惚れ込んでたんですね。実は僕も『誰かの栞』を選んだ理由としては、一番画が浮かんだからっていうのがきっかけです。なのでちょっとシンパシーを感じました。
竹:照れるなぁ。龍馬さん何も言わないよ?
中:「おもしろそー」って(笑)。
一同:(笑)。
秋:龍馬さんちゃんと助監督インタビューで聞いてるから。
竹:そうだね(笑)
監督はどんな人?
秋:土田研から監督とは親交があるということで、監督のことをよく知っていらっしゃると思うんですけど。
新:本当によく知ってますよ。もう何でも知ってます、監督のことは。
竹:なになに、やめてよ(笑)
秋:この作品の制作中も凄い色々やり取りを重ねていて。新倉くんから見て、監督ってどんな人ですか?
竹:どんな人だろう。(^^)
新:うわぁ言い辛ぇ(笑)。これだけ後で文面で送ろうかな(笑)
中:この場に同席してるからね、まさかの。
新:どんな人ねぇ……。(長考)
竹:悩んでるよ、いっぱい悩んでるよ……!
中:めちゃくちゃ言葉選んでるのか、どうなのか(笑)
新:さっきも話したことなんですけど、1番思うのは、咀嚼する力がめちゃくちゃあるなって思います。本当にそこが1番、監督の尊敬するところでもあり、皆んなに着いて行たいって思わせている部分でもあると思います。何よりも、映画もたくさん観てますし。自分をしっかり持ってるから、貫くところは貫くけど、それだけじゃなくて、聞いた話をさらに噛み砕いて、自分の中で昇華するみたいな。そんな印象を受けます。
竹:ずっと聞いてたい。
(ここで監督が帰宅)
現場に対する印象
秋:新倉くんはプロの現場での経験もあったりとか、制作実習自体の経験もあって、現場を引っ張ってるっていうか、そういうポジションになってくれてるんですけど。そんな新倉くんから見たこの班の印象とか、現場の印象ってどんな感じですか?
新:んー!難しいなぁ。現場の印象とはずれるかもしれないんですけど、みんなが楽しんでくれてると嬉しいなと思ってます。けど、楽しめきれてないんじゃないかなっていう不安と、申し訳なさもあります。どうしても空間が狭くて、みんなが撮影している場所に入れなくて。中で何やってるか全員が見えているわけではないんですよね。それは本当に申し訳ないと思いながらも、解決できていなくて。でも、本当に班員全員には助けられてます。今日(撮影日)とかもそうですけど、みんな周りを見ながら、必要なものを持ってきてくれたり、タイムキープをしてくれたり。美術を並べるときにもいろんな配慮や演出を考えてくれたり。特に最近の撮影では、本当にみんなの力あってで出来上がっている作品だなって感じます。ありがとうございます。
大変なこと、楽しいこと
秋:この『誰かの栞』の撮影に関して、大変なことであったり、あるいは楽しいところ、醍醐味みたいなものを教えてください。
新:大変なことはまず空間が狭いことですかね。キャメラをおける場所はもちろん、照明も何もかも、何なら人も入れる場所が少ないから、凄い制限の多い撮影だなって思います。それと重ねて、空間が歪んでる場所が多いなっていう。撮りたいように撮れないっていうか。場所の狭さも構造も含めて、自分の頭で思い描いているものを形にしきれないとか、頭で思い描いているものがなんかズレてたりとか、そういう部分が、もどかしいです。
楽しいところは、絵がカチっとハマった!って時と、演出に時間をかけられた時ですかね。画角だけじゃなくて、演出にもこだわった上で考えられた回っていうのは凄い楽しいなって思います。キャメラは画を撮ってる訳ではなく、あくまでも演技を、流れを撮っていて。演出あっての撮影なので、それができた時っていうのは凄い楽しいです。
こだわりと見どころ
秋:まだ完成はしていないですが、この作品でこだわってるところ、見どころをお願いします。
新:監督はあんまりカットを割らないんですよね。長回しをしたくてやっているというよりかは、無駄なカットを作らない。それは僕もすごく賛同している部分で。ただ、全部を映したいがために、中途半端な画角になってしまうのは避けたくて。そのジレンマには苦しめられていますが、撮れることなら、その場所で狙ったもの、見せたいものを割らずに映したい。その中でも、一番の見どころは、(翔太役の)しゅんくんの見せる感情の起伏ですかね。それがシーンごととか、シーンの中でも移り変わっていくような。
観てくださる方々へ
秋:最後に、この作品を観てくださる方々へ、一言メッセージがあればお願いします。
新:本当に多くの人の協力のもとで成り立ってる作品で。細部まで見てほしいです、あとは、美術品!みんなで試行錯誤してつくった美術に注目してほしいです。
秋:梶さんも美術は力を入れたって言ってた。
新:本当に楽しんで作ったり、こだわったし。そういう細部の遊び心にも注目してほしいです!
-上映会情報-
日時:2023年1月21日(土)
場所:早稲田大学大隈講堂
入場料:無料
4作品上映予定
※新型コロナウイルス感染拡大の状況により、変更、中止の可能性がございます。
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