1月16日(土) に開催いたしました2020年度作品上映会より2週間が経過した1月末日に、4作品の監督たちより集まったコメントです。
皆さまにもここにお届けします!
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『あすみ』佐々春佳監督
作品を見てくださり、ありがとうございました。上映中は自分達の作品がやっと多くの人に届けられることへの嬉しさと、大切に温めてきた物語が私たちから離れていくことへの寂しさもある不思議な時間でした。舞台挨拶の景色は一生忘れません。舞台に立つキャストさんの後ろ姿を見て誇らしく思ったり、舞台からは一緒に映画を作ってきた仲間がよく見え、安心しました。多くの人に支えられて映画は完成し、上映させていただくことができました。作品、この授業で出会った人たち、費やした時間、すべてが愛おしく感謝の気持ちでいっぱいです。上映会後は班の皆とほぼ毎日会って試行錯誤した日々が終わってしまったと実感できず、数日間何もやる気が起きませんでした。色々反省すべきことはありますが、全力でやりきれたと自信を持って言えます。しかし一般のお客さんの前で上映できなかったことは心残りなので、今後も上映機会を探していきたいと思います。
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『冷めるのを、待っている』佐藤杏子監督
人生初の映画制作・上映が終わって日常に戻った今。
すべてがまるで夢だったような、そんな不思議な感覚の中にいます。
今回の映画制作は自分にとって、色々なものと「向き合う」経験でした。
自分と向き合う。日常の、そして人生の切り取り方を意識的に変化させること。何を大切にすべきで、何を削ぎ落とすべきなのか考えること。
人と向き合う。些細なからだの動きに滲み出る感情までも見逃さないようにすること。それぞれのキャラクターにそれぞれの背景があるという当たり前を再確認すること。
多くの方のおかげで、たくさんの喜び、気づき、そして反省を与えてもらえる、こんな貴重な体験ができました。
作品を見てくださった方々、先生方、キャストの方々、そして一緒に映画を作ってくれたスタッフのみんな。
至らないところばかりの監督で申し訳なかったです。「冷めるのを、待っている」という大切な作品に関わってくださり、本当にありがとうございました。
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『つかずはなれず』河井優花監督
上映会を観てくれたみなさま、ありがとうございました。たった2週間前のことなのに遥か昔のことのような気がします。自粛期間中に一人きりの家で書き始めた物語が(オンライン配信という形ではありましたが)こんなにも大勢の人に観ていただけるとは思ってもいませんでした。もともと撮影ができるかどうかもわからないと言われていたのに!物理的に隔たりのある一年だったからこそ、作品を通して誰かと繋がることの喜びやあたたかさをより強く感じられたように思います。
上映後のトークで先生に「また映画を撮りたいですか?」と聞かれたとき、曖昧に答えることしかできませんでした。正直に言えば、こんなに苦しいことはもうやりたくないとも思っていました。それなのに、2週間経った今、早く映画を撮りたいとうずうずしています。自分でも驚いています。
ひとりでは撮れないから映画が好きです。次は堂々と、また撮りたいですと答えようと思います!
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『遠い場所から』石名遥監督
壇上でわたしの中に渦巻いていたのは、達成感などなく、どうしようもない無力感で、班員とキャストの皆さんと大隈講堂の大きなスクリーンで観たら涙が溢れてしまった。悔しがることすらできない。
本当にこれでよかったのか、もっと勉強しておけば、なんでなんでクソ自分、と色々なことを脳内が駆け巡り、何かがぷつんと切れてしまった。どうしたらよかったのか、本当は何を描きたかったのか。制作途中でわからなくなり自己が分裂していく感覚に10月くらいからずっと襲われていて、今もその正体はつかめない。物語を作るって、映画を作るって、なんだ…。
しかし一方で、友人や知り合いから感想が届いたのは恥ずかしさもあったが嬉しくて新鮮だった。助監督の山下さんが「観客は自由だったね」と声をかけてくれたのだが、作品が自分の手から離れ、誰か別の人の言葉で語られることは、新たな発見があり本当に面白かった。
たった3ページの企画書がこんなに大きくなるなんて。脚本段階からずっと支えてくれた班員のみんな、粘り強くわがままに付き合ってくださったキャストの皆様、言葉足らずなわたしを見捨てないでくださった先生方、厳しい状況下で上映会を作り上げてくださった上映会担当の皆さん、協賛していただいた企業の皆様、こんな貴重な機会を与えてくださり誠にありがとうございました。いつか、遠い場所にいるあの人にも届くような作品を作りたい。
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重ねてとなりますが、4作品『あすみ』『冷めるのを、待っている』『つかずはなれず』『遠い場所から』の初上映にお立ち会いくださいました全ての皆さま、誠にありがとうございました。
2021.2.2(火)