はじめましてこんにちは。『回向』の長谷川班・広報担当の相馬です。
わが班の監督、スポーツ科学部四年・長谷川裕美さんに忙しい撮影の合間の貴重な時間をいただいてインタビューをしました。
『回向』あらすじ
本屋のアルバイト、雫は店で女子高生の万引きを目撃するも追いかけるのを躊躇してしまう。その影には高校時代のクラスメイト、礼央の自死があった。
他者と出会う中で、雫は礼央の死を受け入れ、彼女の世界はひらかれていく。
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―まずはこの企画が生まれたきっかけをお聞きしたいです。たしかご自身の実体験がもとになっているとのことでしたが?
そうですね。昔、作品内の礼央くんと同じように人のものを盗ってしまう人が身の回りにいたことがあります。それから数年経ってすっかり忘れてたってわけじゃないんですけど、授業で企画を考えるってなって、自分の人生のなかで映画になりそうなことを探したときにその人のことが浮かびました。
―それを映画にするにあたってどういう思いをのせようと思いましたか?
その人とはそんなに仲良かったわけではないんですけど、自分には何もできなかったっていうのと、彼のことを理解するのから逃げていたのとで後悔があって、映画を通してそれに対してもう一度向き合おうと思いました。
この映画を見た人が自分と同じ後悔をしなくて済むといいななんて思ったり。もっと欲を言えば、なくなった実際の同級生にも届いたらいいななんて。
―主人公・雫にご自身をかなり重ねているということで
そうですね。脚本を先生方に見ていただくなかで、「自分と主人公とをうまく分離させなきゃだめだよ」とアドバイスをいただいて、気をつけなきゃと思いました。自分じゃない人間を描くのはとても難しかったんですが、オーディションを通して他の人が脚本から読み取った主人公像を聞いたりしていくなかでキャラクターが浮かび上がってきました。自分が経験してないことを経験している人が脚本を読むと自分では考えつかないような解釈をしてくださるので、とても刺激になりました。
―他にも脚本を書いていて大変だと思ったことは?
全部です(笑)。書いたことないし。もともと文章を書くのが苦手で……。初めてなりに試行錯誤してたんですが、今思うと暴走してたなぁと思うところも多いです。
でもはじめから比べると脚本力はついてるなと思います。決して私の力だけではなく、班員との脚本会議の成果が大きいです。夏休み中とかは長くて半日通しで膝をつき合わせてました。表には出ない人物のバックグラウンドまでじっくり話し合っていたことが活きていると思います。
―みんなでつくった作品という意識があるので、オーディションに来た方が脚本を褒めてくれるとこっちまで嬉しくなります。
本当に、班員のみんなには助けてもらっています。誰にも足を向けて寝られないので、毎日寝る向きで困っています(笑)。もともとこの授業をとろうと思ったひとつのきっかけが、みんなで一緒になんかしたいってことだったので、それができているのは楽しいです。
―長谷川監督から見て、『回向』班はどんなチームですか?
それまでの授業で目立っている人が多くて、顔合わせのときはこの濃い人たちで大丈夫かな……と正直思っていました(笑)。でも結局、そんな個性豊かな人たちが、それぞれ得意なところで役割を見つけて最大限担っているので、いい方向に向かっていると思います。みんな協力的で、私ももともとみんなを頼りまくるつもりだったのでこのチームでよかったと思ってます。
―まだ作品づくりは続きます。これからの意気込みは。
次々と考えなければいけないことがありますが、企画書を書き始めたときの初心を忘れずにやって行きたいと思います。そして主人公の雫同様に、わたしも人とつながることを諦めずに最後までみんなと突っ走ります!
―頑張りましょう!ありがとうございました!
ありがとうございました!
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映画づくりを通して過去と向き合う体験に惹かれて長谷川さんの作品に参加しようと思った班員も多いです。制作をはじめる前と後で何か変わったのか、最後に意気込んでいたように人とつながることはできたのか、作品が完成してからまたお聞きしようとおもいます。最後までお読みいただきありがとうございました!
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-上映会情報-日時:2022年1月22日(土)
場所:大隈講堂
入場料:無料
※新型コロナウイルス感染拡大の状況により、変更、中止の可能性がございます。
2021/12/10(金)
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