『こねこ』山口監督インタビュー

インタビュー
はじめまして。
『こねこ』の助監督の漆原です。
監督インタビュー最終回を飾るのは、我らが山口あいり監督です。
人一倍真面目でありながら、現場を明るく楽しく盛り上げる素敵な監督です。
ぜひその片鱗を感じてください。

ーそれでは監督インタビューを始めます。よろしくお願いします。それではまず、あいりちゃんの『こねこ』への想いをお聞かせください。


山口:よろしくお願いします。この作品は、私が小学2年生のときに経験したことを基にしていて、そのときに感じた、答えを一つに決めつけたり、善意を押しつけたりすることの怖さを描きたいと思っています。

ー小学生のときにどんなことを経験したんですか?

山口:道徳の授業で、羽を怪我した蝶々が男の子に助けられるお話があって、「手を差し伸べられたとき、蝶々はどんな気持ちになったでしょう?」って先生がみんなに聞いたんです。そしたら、みんな優しいとか安心したとか答えていて。私は「怖い」と思っていたけど、みんなと違うから手を挙げられなかったんです。そんななか、ある男の子が「怖いと思います」と発表してくれて。私と同じ考えの人がいると思ってとても嬉しかったんですけど、先生が「なんで?助けてもらえるのに怖いわけないでしょ?」とその子に怒ったんです。考え方を否定されたような気持ちになったし、どうして先生が怒るのかわからなかったです。でも、みんなと違うのに自分の意見を堂々と言ったその子のことをかっこいいなと思いました。そのあと小学3年生になるときに私は転校したんですけど、結局私も怖いと思っていたことを伝えられずじまいになってしまったので、もし高校生になってその子と再会したら…と想像してこのお話を思いつきました。

ー映画に出てくる道徳の話は、あいりちゃんが実際に経験したことだったんですね。
映画は撮影の段階に入っていますが、製作過程で一番苦労していることはなんですか?

山口:脚本を書くことです。果たして脚本は完成するのかな?とずっと思ってます笑 撮影が始まりましたが、まだまだ同時並行で脚本の改稿をしています。脚本を書くのは楽しくもあるのですが、良くなっているのか自分ではわからなくて、ずっと悩んでます。上手く書けた!と自信があるときに限って、先生方から不評だったりします笑
でも、班ができて、みんなから意見やアドバイスをもらうようになってからは、1人で書いているというよりみんなで書いている感覚です。班の人が一緒に脚本を考えてくれて、悩んでくれて、私じゃ思いつかないようなすごいアイデアも出してくれるので、私だけが書いたものではなくて、みんなで書いた脚本だと思っています。でも、いろいろな意見の中から、最終的にどうするかを決めなければならないのは私なので、これからも悩み続けると思います。

ーあいりちゃんらしい考え方だ!これからも脚本の改稿頑張ってください!
ちなみに、、、あいりちゃんだったら、こねこを助けますか?


山口:うーん、一番難しい質問かも。正直あんまり猫好きじゃなくて、断然犬派なんです笑 
本当は犬にしようかとも思ったんですけど、今どき野犬はいないだろうと思って、猫にしました笑 猫は引っ掻かれるのが怖いんですよね。でもほかっとけないし。猫好きの人と一緒に何とかケージに入れて、動物病院に連れて行きたいです。

ー出た、岐阜弁!ほかっとけないですよね~笑(ほかっとく=放っておくの岐阜弁)あいりちゃんは、岐阜県出身なんですよね。初めて聞いたときはすごく意外でした。そんなあいりちゃんから見た、意外な一面のあるスタッフが他にもいたら教えてください!

山口:仲良くなるにつれて、それぞれの人のことがわかってきたのですが、ぶっちぎりは助監督の大角さんですね。こねこ班のいじられ役です。嫌だ嫌だと言いつつ喜んでるし、楽しそうに小ボケもたくさんかましてくるので、これからもいじり続けます。女性のエキストラが足りなくて、大角さんに女子の制服を着てもらったのですが、そのときもノリノリでした。ちなみに大角さんは先輩です笑

ーたしかに。現場の盛り上げ役ですね。以上でインタビューは終わりです。上映会まで約2か月となりましたが、最後まで頑張りましょうね!

山口:はい、頑張ります!
常に現場やチームのことを考えている山口監督。そんな彼女の人柄が表れた作品になっていると思います。本当の優しさとは何なのか?映画を通してみなさまと対話できることを楽しみにしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

2021/12/11(土)

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